拝啓、卓上の謎に挑む読者様。
夜会の喧騒が去り、館内に静寂が戻った頃、恐ろしき事件は起こるのでございます。今回、私、語り部が皆様にご紹介いたしますのは、正体隠匿ゲームの概念を覆した、『目撃者たちの夜』でございます。
この作品の斬新さは、「全員が必ず、何かしらの情報を持っている」という点にございます。この断片的な情報を基に、誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか。議論の中で生まれる疑心暗鬼のドラマこそが、本作の醍醐味でございましょう。
製品情報
まずは、このライトな正体隠匿ゲームの基本的な構成でございます。司会者不要で遊べる手軽さが魅力でございます。
| 項目 | 詳細 |
| 製品名 | 目撃者たちの夜（Witness night） |
| ゲームデザイナー | 渋江玖琉 氏 |
| 販売元 | すごろくや など |
| プレイ人数 | 3〜6人 |
| プレイ時間 | 5分〜10分 |
| 対象年齢 | 8歳以上 |
| ジャンル | 正体隠匿、ソーシャル・ディダクション、短時間パーティーゲーム |
ゲームの目的は、夜の間に起こった殺人事件の犯人（殺人鬼）を見つけ出し、投票によって処刑すること。しかし、全員が目撃者であると同時に、全員が容疑者でもあるという状況から、議論は常に緊迫した様相を呈するのでございます。
✨ 語り部が語る、傑作たる所以の魅力
『目撃者たちの夜』が、数ある正体隠匿ゲームの中で特に推奨される理由は、「全員参加型」の議論と、「役職決定システム」がもたらす戦略性にございます。
1. 司会も目隠しも不要な「全員が主役」のシステム
従来の正体隠匿ゲームとは異なり、この作品は司会者も夜の目隠しフェイズも不要でございます。ゲームの最もユニークな点は、最初に役職カードを2枚受け取り、そのうち1枚を他のプレイヤーに渡すという、役職決定システムにございます。
この情報のやり取りがあるため、各プレイヤーは「誰から何のカードを受け取ったか」という断片的な情報を必ず持つことになります。これにより、議論の際に「何も言うことがない」という状況が生まれにくく、全員が自分の意志で推理に参加できるという、高い没入感が生まれるのでございます。
2. 「情報共有」と「矛盾」が鍵となる推理劇
プレイヤーは議論の中で、自分が持つ役職カードや、誰から何をもらったかといった情報を開示し合います。しかし、中には自分の役割を偽る人もいるかもしれません。
議論が深まるにつれて、「あの人の証言と、私の情報が矛盾している」というドラマが生まれ、そこから容疑者の絞り込みが行われます。誰の証言を信じ、誰の証言に違和感を覚えるか。断片的な情報を論理的に組み立てる楽しさが、このゲームの核でございます。
3. 「章立て」による多様な遊び方と高いリプレイ性
この作品は、使用する人物カードの組み合わせによって、レベル1からレベル8までの「章立て」が構成されております。
これにより、初めて遊ぶメンバーとはシンプルな役職構成でライトに楽しめますし、慣れてきたメンバーとは、より複雑な特殊能力を持つ役職を投入し、深い戦略性をもって挑むことができるのでございます。
1ゲームが5分から10分という短時間で終わるため、「もう一度！」という再戦への熱意が続き、様々な章を試すことで、何度遊んでも飽きがこないという、高いリプレイ性を誇ります。
いかがでございましたでしょうか。
『目撃者たちの夜』は、正体隠匿系の緊張感を保ちつつ、誰もが気楽に参加できるという点で、パーティーゲームとしても知的な推理ゲームとしても、私、語り部が自信を持っておすすめする一作でございます。
ポチップ
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