💣 はじめに:坑道に潜む密かな悪意
『お邪魔者(Saboteur)』は、プレイヤーが皆、金鉱掘りのドワーフとなり、通路カードを繋げて金塊を目指す協力型のゲームに見せかけて、その中に秘密の裏切り者、すなわち「お邪魔者」が潜んでいるという、正体隠匿系のカードゲームでございます。
金鉱掘りたちは協力してゴールに辿り着くことを目指しますが、お邪魔者は、彼らの採掘を妨害し、金塊に辿り着かせないことが勝利条件となります。しかし、誰が味方で誰が敵なのかは、ゲーム開始時の役割カードでのみ知らされるため、終始、プレイヤー間の挙動に対する疑いの目が消えることはございません。
シンプルなルールと、大人数での熱狂的な盛り上がりが、この作品の最大の魅力でございましょう。
🎲 製品情報:小箱に詰まった人間ドラマ
このゲームは、手軽に持ち運べる小箱サイズでありながら、最大10人まで対応できる懐の深さがございます。
| 項目 | 内容 |
| タイトル | Saboteur (お邪魔者) |
| デザイナー | フレデリック・モイヤーセン (Frederic Moyersoen) |
| 発売年 | 2004年 |
| ジャンル | 正体隠匿、協力・裏切り、タイル配置(通路カード) |
| プレイ人数 | 3〜10人(6〜10人が特に推奨される) |
| 対象年齢 | 8歳以上 |
| プレイ時間 | 約30分 |
| 主なコンポーネント | 通路カード、アクションカード、役割カード、金カード、説明書 |
通路カードを繋げて坑道を掘り進めるという視覚的な楽しさと、アクションカードによる妨害・修復の駆け引きが、ゲームの展開を予測不能にしてくれます。
✨ 魅力を紡ぐ三つの要素:裏切りのスパイス
『お邪魔者』がパーティーゲームとして世界中で愛される理由を、私「語り部」は以下の三点に見出しております。
1. 「行動」でしか語れない、無言の意思表示
このゲームは、プレイヤーが手札からカードをプレイするか、捨てるかという行動を通じて、味方であること、あるいは敵であることを示唆いたします。
- 金鉱掘り:ゴールへ向かう通路カードを積極的に繋げ、道が途切れた時は修復カードで助け合うでしょう。
- お邪魔者:行き止まりのカードをあえて配置したり、破壊カードで味方の道具を壊して作業を遅らせるでしょう。
しかし、お邪魔者も疑いを逸らすために建設的な行動を取ることがあり、金鉱掘りも手札の都合でやむを得ず変な行動を取ることがございます。この「行動の裏に何があるのか」という読み合いが、このゲームの核心でございます。
2. 「破壊」と「修復」が呼ぶ、ヒリヒリとした緊張感
アクションカードの中には、相手の道具(つるはし、ランプ、トロッコ)を破壊するカードがございます。道具を破壊されたプレイヤーは、修復カードを出すまで通路カードをプレイできなくなってしまいます。
この破壊行為こそが、お邪魔者を見破るための最も大きな手がかりとなります。しかし、「誰を破壊するか」というお邪魔者の判断、そして「誰を修復するか」という金鉱掘りの判断は、陣営の勝利のために最も重要な選択となり、卓上にヒリヒリとした緊張感を生み出します。
3. 多人数がもたらすカオスと最後の金塊争奪戦
最大10人という多人数で遊べるため、議論がなくともワイワイと賑やかに盛り上がります。人数が増えるほどお邪魔者の特定は困難になり、カオスな状況になりやすいのが魅力でございます。
そして、複数ラウンド行われる得点計算の際、金塊が獲得できた場合、金鉱掘りであればその金塊を分け合うことになります。しかし、お邪魔者であった場合、金塊はお邪魔者が総取りとなります。さらに、金鉱掘り同士の間でも、最終的な得点を巡って「誰が一番多くの金塊を得るか」という競争心が芽生える点も、人間臭いドラマを生み出すスパイスとなっております。
結び:信頼という名の脆い橋
『お邪魔者』は、金塊という富を巡る人間の欲望と、協力という名の脆い信頼を描いたボードゲームでございます。誰かを信じ、誰かを疑うという根源的な楽しみを、カードゲームという手軽な形式に見事に昇華させております。
大人数での賑やかな集いに、この金鉱を持ち込んでみてはいかがでございましょうか。


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