【アヴェリア物語】設定資料：世界について

さて、卓上の語り部でございます。

皆様、長きにわたり『アヴェリア物語』の連載にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。第十章まで辿り着き、物語の核心に触れる局面へと歩みを進める中、読者の皆様の中には、「このアヴェリアという世界は、一体どんな場所なのだろう？」と、興味を抱いてくださっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回は、少しばかり本編から離れ、こちらのアヴェリア大陸の地図を広げながら、この物語の舞台となる地について、皆様をご案内したいと思います。律動の真実が隠された現代のアヴェリアで、どのような場所が彼らを待ち受けているのでしょうか？

アヴェリア大陸：忘れ去られし古の力を宿す大地
物語に深みをもたらす設定の数々
追記

アヴェリア大陸：忘れ去られし古の力を宿す大地

我々の物語が展開する『アヴェリア』は、広大な大陸と、その周囲に点在する島々で構成されています。この地には、かつて謎の『古の力』で栄えたとされる古代文明が確かに存在しましたが、その歴史の多くは失われ、あるいは現在の支配者によって隠蔽されています。

アストラル王国（Astral Kingdom）と首都アスティラ（Astira）
- 大陸の中央南部に広がる、現在最も強大な勢力を持つ王国です。首都は『アスティラ』。輝かしい城塞都市ですが、その地下には、かつて繁栄を極めたとされる古代文明の遺構が眠っていると言われています。しかし、その真の歴史は忘れ去られ、王国は古の力とは異なる形で国力を築き上げてきました。
- 王国は古の力を公に奨励することはなく、むしろその力を危険視し、秘密裏に研究や監視を行っているという噂も囁かれています。
レムリア平原（Lemuria Plains）
- アストラル王国の南部に広がる、肥沃な大地です。多くの農村が点在し、人々の穏やかな暮らしが営まれています。物語の始まりの地、リーナが育った『辺境の村グラン』も、この平原の片隅にひっそりと佇んでいます。古の力の恩恵が薄いこの地では、人々は自然の恵みと、昔ながらの生活を大切にしています。
賢者の塔（The Sage’s Tower）
- 今回の物語の主要な舞台となっている、巨大な謎の建造物です。エルファリスの森の奥深くに隠された、星晶銀で築かれたこの塔は、天を貫くようにそびえ立ち、古代文明の叡智と、古の力による強力な防衛機構が今もなお機能しています。
- 塔の最奥には、世界の古の力を制御するとされる『古の炉（いにしえのろ）』が隠されており、その真実を知る者はごくわずかです。
大樹の聖域（Sacred Tree Sanctuary）
- アヴェリア大陸の中央に、ひときわ大きく描かれた神秘的な大樹のシンボル。これは、かつて古の恩恵を大陸全土に広げていた『古の源（いにしえのみなもと）』であったと伝えられています。しかし、今はその真の力を失い、その存在はアストラル王国によって秘匿されています。ただの伝説として語られるその場所は、もしかすると賢者の塔の、あるいは世界の古の力を巡る重要な鍵を握っているのかもしれません。
ゼノスの故郷：ゲイル・テトラ（Gale Tetra）とヴァリカ平原（Valika Plains）
- 天蓋山脈の南西に広がるヴァリカ平原には、風車のような建造物や、規則的な地形が見られます。そして、その南西の特殊な地形をした地域が『ゲイル・テトラ』、ゼノスが属する部族がかつて暮らしていた、あるいは今も隠れ住む故郷の地です。
- この地は、古の力の歪みが比較的少ない一方で、独自の風を操る技術や、古代の知識を受け継ぐ部族が、外界の干渉を避けながら暮らしていると言われています。ゲイル・テトラという名は、彼らが古の嵐や自然の猛威と共存してきた歴史を示唆しているのかもしれません。
嘆きの海（Sea of Lament）
- 大陸の東側に広がる、常に荒れ狂う海域です。その名の通り、過去に悲劇的な出来事があったとされ、船乗りたちからは恐れられています。古代文明の遺物が海の底に沈んでいるという伝説も存在します。
アイゼン・ドゥーム（Eisen Doom）
- 大陸南東の孤島に位置する、禍々しい雰囲気を漂わせる巨大な城塞あるいは遺跡です。古の力の歪みが特に強く、危険な存在が封じ込められている場所、あるいは古代文明の負の遺産が眠る場所として、畏れられています。ここが物語に深く関わる時、大きな転機が訪れることでしょう。