ようこそ、親愛なる読者様。 「Table Talker’s Log」へ。わたくしは卓上の語り部でございます。
先日の記事にてお伝えした通り、わたくしはボードゲーマーの聖地「ゲームマーケット2025秋」へ赴き、熱気渦巻く会場を歩いてまいりました。 本日は、その探求の旅より持ち帰った「32の物語」を一挙にご紹介する「戦利品報告会」を執り行いたく存じます。

私の書斎のテーブルを埋め尽くすこの箱たちは、それぞれが独自の宇宙を持っております。
なぜ私がその箱を手に取ったのか、そしてその箱にはどのような世界が閉じ込められているのか。 どうぞ、紅茶を片手に、この長きにわたる収穫の目録にお付き合いくださいませ。
I. 卓上の建築家と戦略家たちへ ~重厚なる世界観と経営~
まずは、じっくりと腰を据えて挑みたい、世界観と戦略性が融合した作品群でございます。
1. COMPANIA(カンパニア)
- Concept: 資本主義が訪れたスチームパンクの世界で会社を経営!ライバル会社と差をつけろ!
- 語り部の視点: 前作『Factoria』の楽しさが記憶に新しい中、期待せずにはいられなかった一作。スチームパンクの蒸気と喧騒の中で繰り広げられる拡大再生産。ソロプレイにも対応しており、じっくりと経営の手腕を試したいと存じます。
2. Youggdrasill(ユグドラシル)
- Concept: その手でつくる、生態系の未来。
- 語り部の視点: ゲーム終了時、卓上に広がる自分だけの生態系を眺める……。『カルカソンヌ』や『ドーフロマンティック』にも通ずる、その「創造の喜び」に惹かれ、現地にて購入を決意いたしました。
3. Desolito + 拡張版(Desolito + Expantion:Citizen)
- Concept: ドラフト×タイル配置の中量級ボードゲーム!
- 語り部の視点: 美しきアートワークに目を奪われましたが、それだけではございません。ルールを伺ったところ、ドラフトとタイル配置の融合に独自の輝きを感じました。拡張版も併せて、ソロでの思索も楽しみな一品です。
4. the coil(ザ・コイル)
- Concept: 魔力の渦が大陸をひとつに繋いだ世界で、各国が覇権を争う陣取り×ダイス戦略ゲーム
- 語り部の視点: 「魔力の渦」という世界観と、エリアマジョリティ(陣取り)のシステムが見事に調和しております。ダイスが紡ぐ戦略の妙を味わいたいと思います。
5. エリスの算盤
- Concept: この戦争は、カネになる。
- 語り部の視点: ファンタジー世界における「商人」となり、戦争すらも商機とする。価格変動と陣取りを掛け合わせたマネーゲームというコンセプト、実に興味深いですな。
6. WHIMSICALS(ウィムジカルズ)
- Concept: サイコロ運と選択の、カンパニー経営競争
- 語り部の視点: 先述した『COMPANIA』のスピンオフ作品でしょうか。王道のボードゲームらしさと、スチームパンクの世界観を継承した経営競争、期待大でございます。
II. 手札に宿る魔力と決断 ~カードゲームと心理戦~
続いては、手札の選択や隠された情報が運命を分ける、切れ味鋭い作品たちです。
7. sinabyss ver.2.0. + 拡張版(sinabyss NEOGODS)
- Concept: 神を堕とした人類に粛清を。
- 語り部の視点: 退廃的で美しいアートワークとストーリー性に惹かれました。セットコレクションとチキンレースが融合した二人用対戦ゲーム、拡張も含めて深淵を覗いてみましょう。
8. ウルト コールドバーニング
- Concept: 全てを超えろ、能力解放は連鎖する!!
- 語り部の視点: 前作の面白さは折り紙付き。UNOをベースにしつつ、能力解放がインフレしていくあの快感……今作でも存分に味わわせていただきましょう。
9. snipe ALIVE(スナイプ・アライブ)
- Concept: 記憶と情報は弾道となる――思考の先を穿て。
- 語り部の視点: 前評判の高さと、ファンタジーなデザインに惹かれました。情報は弾道となる……その言葉通り、研ぎ澄まされた思考戦が楽しめそうです。
10. SPEC/TRICK (スペック・トリック)
- Concept: 普通のトリックテイキングの得点が、超能力で倍になる!
- 語り部の視点: 「能力系」という言葉には、抗いがたい魅力がございますね。超能力とトリックテイキングの融合、どのような化学反応が起きるのか楽しみです。
11. ウォザド
- Concept: めのまえには てきがいる。 せなかには なかまがいる。
- 語り部の視点: 「絶望的な状況でも、考えることで逆転できる」。その紹介文に込められたこだわりに、強く心を動かされました。対戦型デッキ構築の新たな地平を見せてくれることでしょう。
12. ORACLE スペシャルエディション
- Concept: 戦略が運命を握るガチ大富豪
- 語り部の視点: 慣れ親しんだ大富豪に、「戦略」という名のスパイスを。ポーカーや麻雀を好む策士たちをも唸らせる、深みのある遊戯とお見受けします。
13. QUWON(クオン)
- Concept: 誰とでも何度でも熱くなれる、2人用対戦カードゲーム
- 語り部の視点: シンプルでありながら奥深い戦略性。山札と手札を使い切るという勝利条件を目指す、ヒリつくような1対1の対話がここにはあります。
14. マドリイズム+
- Concept: 間を重ね、住は極まる。
- 語り部の視点: カードを重ねて「間取り」を作る。完成した盤面を眺める楽しさは、老若男女問わず笑顔になれることでしょう。ソロで理想の住まいを追求するのも一興です。
15. 決:隠された刃 (Showdown: Unseen Blades)
- Concept: 武侠と剣の江湖におけるブラインドチェス
- 語り部の視点: 「武侠」の世界観で繰り広げられるブラインドチェス。相手の姿が見えぬ中、手札や罠を駆使して読み合う緊張感は、まさに達人同士の心眼の戦いでございます。
16. シカクーロン BEYOND
- Concept: バチバチの陣取り!ただし、デカくするだけでは勝てない!?
- 語り部の視点: コンパクトな陣取りながら、「カチコミ」システムが熱い駆け引きを生みます。手札の数字を読み合い、相手の裏をかく。手軽さと戦略性の両立に期待です。
III. 異彩を放つテーマと体験 ~ユニークなコンセプト~
ここでは、「そんなゲームがあったのか!」と驚かされる、独創的なテーマを持つ作品をご紹介します。
17. 実録離婚調停
- Concept: この話し合い、もう“話し合い”じゃない。
- 語り部の視点: タイトルとテーマの破壊力が凄まじい。「心理戦×会話制限×ロールプレイ」で描かれる泥沼のトークゲーム。覚悟を決めて臨まねばなりません。
18. ぜいきんであそぼ
- Concept: 本物の政治家も遊んだ、汚職ができるボードゲーム
- 語り部の視点: このタイトルのインパクトに惹かれ、試遊の末に購入を決意。汚職と交渉が渦巻く心理戦、ブラックユーモアだけではない確かな熱量を感じました。
19. デストラベルファンタジー
- Concept: こんな正体隠匿があったのか!?
- 語り部の視点: 「神経衰弱×人狼×麻雀」。この三つの要素が混ざり合うとは、一体どのような体験になるのか。正体隠匿の新たな可能性に触れてみたいと思います。
20. そういうお前はどうなんだ 因習村編
- Concept: 「そうおま」最新作の舞台は、みんな大好き「因習村」!
- 語り部の視点: シリーズ特有のシンプルなルールで、すぐに場が盛り上がるジョーク・マダミス。今回は「因習村」が舞台とのことで、怪しくも愉快な夜になりそうです。
21. 継承者が多すぎる
- Concept: 真の継承者は、あなたです。
- 語り部の視点: 可愛らしいカードデザインに惹かれましたが、中身はしっかりとしたエリアマジョリティ。ストーリー性も備えており、物語への没入感も期待できます。
22. あふはあふかは
- Concept: 遊ぶほどに「ままならない」が加速する!協力ゲームを超えていけ!
- 語り部の視点: 七夕をコンセプトにした、珍しい「3人専用」のバッティングゲーム。限られた人数だからこそ生まれる、ままならない協力関係を楽しみたいですね。
IV. 盤上の技巧と立体美 ~パズルとコンポーネント~
盤上の駒や立体的なコンポーネントが織りなす、視覚と思考のバトルフィールドへ。
23. 葡萄銃手(ぶどうじゅーしゅ)
- Concept: 立体戦略ブドウ狩り
- 語り部の視点: 「3次元チェス」というコンセプトに惹かれました。立体的な盤面で繰り広げられるSRPG風の陣取りアブストラクト。空間認識能力が試されそうです。
24. オルソノームズ(豪華版)
- Concept: 光を司る火の神と、闇を司る氷の神。最後に勝つのは光か闇か!?
- 語り部の視点: リッチなコンポーネントが目を引く立体四目パズル。盤面に置くだけでオブジェのような美しさを放ちますが、その実、熱い頭脳戦が待っております。
25. GEMSTONE(ジェムス・トーン)
- Concept: 魔石の力を開放せよ。夜空に輝く魔法のイルミネーション。
- 語り部の視点: 美しいコンポーネントに目を奪われますが、その本質は「運だけでも戦略だけでも勝てない」深き沼。「魔法カード」による隠匿情報が加わることで、単なるパズルではない駆け引きが生まれます。今回は4人ルールも追加されたとのことで、より賑やかな光の宴が楽しめそうです。
26. BLOCKS
- Concept: 地面が動く不思議な迷宮
- 語り部の視点: 現地での試遊にて、そのコンポーネントのインパクトと面白さに即決いたしました。動く迷宮の中、相手の宝を探し出す二人対戦ゲーム。
V. 冒険と試練の旅路 ~RPG・ダンジョン・協力~
最後は、物語の中へ飛び込み、試練に立ち向かう冒険心くすぐる作品たちです。
27. Fantastic Age
- Concept: 冒険者の一生をフィーチャーした、ファンタジーRPG!
- 語り部の視点: 冒険者の「ゆりかごから墓場まで」をロールプレイできるとは! その壮大なテーマに胸が躍ります。ソロプレイで一人の英雄の生涯をじっくりと紡ぎたいものです。
28. Lost in Memoriese
- Concept: キャッスルヴァニアライクな、1~4人用協力ボードゲーム
- 語り部の視点: あのアクションゲームの金字塔をボードゲーム上で再構築。エンジンビルドとダイスロールで挑む探索行、ソロでも協力でも熱い冒険になりそうです。
29. だんだんダンジョン
- Concept: だんだん出来上がっていくダンジョンを踏破せよ!
- 語り部の視点: 巨匠ライナー・クニツィア氏による、無駄のない洗練されたルール。タイルを配置してダンジョンを作り、踏破する。ソロプレイも可能なパズル的冒険です。
30. 喪失区域 THE TEASER
- Concept: 絶滅を、生き残れ。
- 語り部の視点: 「シネマティックタワーディフェンスTCG」という聞き慣れないジャンル、そしてWeb体験版での面白さが購入の決め手。絶望的な戦況を生き残る緊張感を味わいます。
31. マジックワンズ
- Concept: 【拡大再生産】魔法の杖の争奪戦を勝のは誰だ!?
- 語り部の視点: 評判の高さとファンタジーなデザインが素晴らしい。魔法の杖を巡る拡大再生産、シンプルながらも奥深い杖の魔力に魅せられました。
32. JEWEL DIGGER(ジュエルディガー)
- Concept: 4色の宝石を掘って持ち帰れ! エリアを巡る、相手チームとの熱い駆け引き!
- 語り部の視点: 現地でのルール説明が決め手となりました。シンプルなルールの中に濃厚な駆け引きがあり、誰とでも楽しめる間口の広さが魅力。チーム戦の熱狂も楽しみです。
結び
いかがでしたでしょうか。 これが、私、卓上の語り部がゲームマーケット2025秋にて巡り合った32の物語でございます。
どの箱を開けるべきか、贅沢な悩みに頭を抱える日々が続きそうですが、それもまたボードゲーマーの至福。 これらのゲームについては、今後「開封の儀」や「卓上の見聞録(レビュー)」にて、より深くその魅力をお伝えしてまいる所存です。
どうぞ、皆様も気になった作品があれば、心のメモ帳に書き留めておいてくださいませ。
また、これらの希少な作品は、一般の書店には並ばずとも、「駿河屋」のような専門店であれば、ふと顔を見せることがございます。 「一期一会」を逃さぬよう、こまめに宝の地図(サイト)を広げてみることをお勧めいたしますよ。
次なる更新の時まで、皆様の卓上に良き風が吹きますように。


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